Zホールディングス(HD)傘下のヤフーとアスクル、出前館は、食料品や日用品などを最短15分で届けるクイックコマース「Yahoo!マート by ASKUL(ヤフーマート)」の拠点を活用し、ユーザーが直接買い物できる来店型店舗の運営を開始した。来店型店舗の運営は、クイックコマース事業者としては初めて。 

 来店型店舗は、代々木上原店(東京都渋谷区、冒頭写真)、紀尾井町店(千代田区)、大久保店(新宿区)の3拠点(紀尾井町店はヤフーおよびグループ企業の社員のみ利用可能)。ユーザーは約2000種類の商品を店舗で買い物できる。店内調理の導入に向けて準備を進めており、今年中に店内で調理した唐揚げやコロッケなどの惣菜を注文できるようになる見込み。

 2021年7月にサービスを開始したヤフーマートは、注文を受けた後、出前館の配達員が都内の専用店舗で該当商品を受け取り、指定された配達先に自転車やバイクで商品を届ける。現在20店舗を東京と千葉で運営しており、今秋には練馬区などに3店舗をオープンするなど、今後も東京を中心にエリアを拡大する方針だ。

 商品面では、ユーザーの購買傾向や時流などを分析したうえで、約400種類の冷凍食品や、人気が高いコストコの商品などを拡充している。直近では、コロナ感染時の自宅療養に備えるための衛生用品などの販売が拡大。7月6日から8月1日までの約1カ月間で、体温計が前月比約2.7倍、氷枕が同約2.5倍、経口補水液が同約2.2倍と大きく伸長しているという。

 さらに、ヤフーはヤフーマート事業を推進するための子会社としてヤフーマートオペレーションズを7月1日に設立し、10月1日からヤフーマートの店舗運営を同社が担う予定。同社では、これまで配達を担っていた出前館の配達員に加えて、ヤフーマート専属配達員の採用を開始し、コロナ禍で高まる宅配需要に対応し、サービス品質の維持に努める考え。