クオールホールディングス(HD)の2025年3月期第2四半期決算は、売上高1247億7100万円(前期比40.9%増)、営業利益60億9600万円(同71.3%増)、経常利益62億2000万円(同69.2%増)、純利益12億1100万円(同35.8%減)。売上高、営業利益、経常利益は過去最高を記録した。
薬局事業は売上高840億8000万円(同3.8%増)、セグメント利益42億3200万円(同10.2%減)の増収減益。仕入れや人件費の増加で減益となったが、下期に関しては6月からの診療報酬改定による技術料アップや積極的な出店がプラス要因となる見通しだ。
また、11月5日にはKDDIとの医療DX連携により、オンライン専門薬局「クオールどこでも薬局」を埼玉県川越市に開局した。11月6日に行われた決算説明会で今井圭取締役は「どこの処方箋でも・どこでもつながる・どこでも受け取り」と屋号の由来を明かし、「薬局や薬剤師が身近な存在として、安心を体現できるという意味を込めている」と説明した。
同社は26年度に売上高3000億円、営業利益240億円を目標とする3カ年中期計画に取り組んでおり、4月に連結子会社化した製薬会社の第一三共エスファが大きな成長ドライバーとなる。すでに人材交流をはじめとするグループ内外の連携強化が進んでいるほか、同社から12月にはAG(許諾を受けたジェネリック医薬品)3成分7品目を発売する予定。石井孝芳専務は「特に経口抗凝固薬のリバーロキサバン錠・OD錠は、第一三共エスファの社運をかけた大型製品。クオールグループの大きな成長にもつながると確信している」と力を込めた。
また、中村敬社長(冒頭写真)も製薬事業について「何よりも新製品に注力していきたい。きちんと年度ごとに加えていかない限りは厳しくなってくる」と語った。
店舗数は7月に行徳ファーマシー6店舗、ボトムハート2店舗がグループ入りするなど、M&Aで26店舗を取得したほか13店舗を出店し、上期合計で953店舗となった。
通期業績は売上高2700億円(同50%増)、営業利益150億円(同80.2%増)、経常利益152億円(同64.2%増)、純利益50億円(同2.4%増)を見込む。