セブン&アイ・ホールディングス(HD)は2月27日、創業家で代表取締役副社長である伊藤順朗氏と伊藤家の資産管理会社である伊藤興業から、セブン&アイのMBO(経営陣による自社買収)に必要な資金調達のめどが立たなくなったと連絡を受けたことを明らかにした。
現時点でセブン&アイ側には伊藤家からのMBOに関する正式提案がなされていないことになるという。このまま資金調達のめどが立たなければ伊藤家はMBOを断念することになる。
セブン&アイは今後、カナダのアリマンタシォン・クシュタール社からの提案と自主独立での株価向上のどちらかを軸に検討を進めることになる。
なおセブン&アイの特別委員会は、クシュタール社の提案を受け入れた場合、米国内での店舗閉鎖が予想されることから、「米国における競争法上の深刻な課題に対処しうる実行可能な案を実現できるかを確認するため、建設的に協議を続けている」としている。