スマホでのレシピ動画配信に始まり、スーパー店頭へのデジタルサイネージの設置。「デリッシュキッチン」はその草分け的存在だ。買い物時間の短縮、料理の時間も短くの時短が主流の時代に、主婦の目や足をいかに止めるか。その苦労は、メーカー、卸、小売り一体となって、デジタルサイネージの枠を超えた販促へと進化。購買商品の幅を大きく広げるものとなっている。(インタビュアー・栗田晴彦)
テレビ見ない世代に動画で仕掛ける
――2015年に創業し、日本初のレシピ動画メディア「デリッシュキッチン」を始めました。なぜレシピ動画をやろうと思ったのですか。
吉田 僕は食べることが大好きということもあるんですけど(笑い)、当時スマホの普及率が80%。通信速度も4Gになって、誰もが常時大容量のコンテンツが見られる状況になると、皆さんやっぱり動画を見たくなりますよね。実際、ユーチューバーさんが面白おかしいコンテンツを次々作られていました。エンタメとしてはそれもありだけど、動画は文字や写真では伝わらない情報も伝えられる。それを生かしてより世の中の役に立つと言うか、生活をサポートする領域で何かやれないか。そう考えた時に、料理の実演を見せながら毎日の献立作りの手助けをすることはその一つだと思ったんですね。