お客の買い控えの実態がデータで示された。
調査会社インテージは10月25日、食品スーパー約2900店のレジ情報から一昨年9月と今年9月を比較し、平均価格が値上がりしている食品のほとんどで販売数量が減少していることがわかったと発表した。
特に落ち込みが大きかったのが油だ。キャノーラ油は9月、2021年同月に比べ、販売数量が41%減った。その流出分の一部はサラダ油に流れ込み、こちらは91%増になるなど、代替商品へのシフトの傾向も鮮明となった。そのほか、小麦粉が30%減、サバ缶が27%減、マーガリンが23%減、レギュラーコーヒーが22%減、砂糖が20%減、カップ麺が20%減など、幅広い商品で販売数量の低下が見られている。
一方で、ドラッグストア約1300店から集計した日用雑貨の状況を見ると、食品と同様の比較で、洗濯用洗剤が12%増、シャンプーが11%増、トイレットペーパーが5%増など、多くの商品でむしろ販売数量が増えていることがわかった。この背景としては、食品に比べると値上げが小幅だった、コロナ禍を機に生活用品にこだわる人が増えた、単なる値上げでなくマイナーチェンジや機能訴求を打ち出し奏功した、などの理由が考えられる。いずれにせよ消費者は現状、日用品ではなく食費を切りつめ、物価高から家計を防衛する傾向があるようだ。