この結果をセブン&アイ・ホールディングス(HD)はどこまで見通せていたのだろうか。9月1日、セブン&アイはグループ傘下の百貨店、そごう・西武の売却手続きを完了した。相手はヨドバシHDをパートナーとする米国ファンドのフォートレス・インベストメント・グループ。売却額は、そごう・西武の企業価値2200億円に対し、3000億円超の有利子負債などを考慮し、実質的には8500万円にとどまった。

 売却が完了し、喜んでいるのはフォートレス・ヨドバシHD連合だけだろう。セブン&アイは売却相手にフォートレスを選んだ昨年11月以降、関係者の猛反対にさらされてきた。ここまで話がこじれた原因は、フォートレスの提示した西武池袋本店の改装プランにある。百貨店を縮小し、池袋の玄関口にヨドバシカメラが出店することは望まないとして、地元豊島区や、池袋西武の土地の半分を所有する西武鉄道が撤回を迫ったのだ。

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