セブン＆アイ・ホールディングス（HD）は8月31日、臨時取締役会を開き、そごう・西武の売却を決議した。9月1日付でフォートレス・インベストメント・グループ側に売却する。売却額は2200億円と見られる。売却交渉が長期化したことを踏まえ、セブン＆アイHDは事業継続と雇用継続に配慮したリニューアルプランをフォートレスに要請。結果、2500億円と見積もっていた企業価値を300億円減額し、両社で結んでいた実施条件の一部を変更した。またそごう・西武への貸付金1659億円のうち、916億円を放棄することも決めた。セブン＆アイHDは損失補填額の合計1046億円と株式譲渡関連損失の411億円を合わせた1457億円を、今期の特別損失として計上する。
セブン＆アイHDは昨年11月、フォートレスとの間でそごう・西武の売却契約を締結。今年1月には同3月までに実施することを発表していたが、ステークホルダーから西武池袋本店の売却後の方針などをめぐり、反対の声が上がったことで調整が難航。3月末の発表では売却期限を定めていなかった。
今年8月1日にはそごう・西武の経営陣を刷新し、前社長の林拓二氏を外し、取締役常務執行役員だった田口広人氏を新社長に据えるとともに、同24日にはセブン＆アイHDの執行役員ら3人をそごう・西武の取締役として兼任させることで売却に向けた準備を進めていた。
31日にはそごう・西武の労働組合が池袋西武のストライキを決行。これを受け、同社は同日を臨時休業とした。店には朝から多くの報道陣が詰めかけ、コンビニ関連ユニオンがシュプレヒコールを上げていた。そごう・西武は地上1階のシャッターや地下のポスター上に臨時休業の知らせを貼り、電光掲示板も含めると120カ所以上で臨時休業を知らせた。店正面の催事を知らせる長い垂れ幕も全て下げられたままだった。
