セブン&アイホールディングス(HD)は11月11日、百貨店子会社のそごう・西武を2023年2月1日付で米国投資ファンドのフォートレスグループに売却すると発表した。売却額は企業価値を2500億円とし、有利子負債などを調整したうえで確定する予定だ。
セブン&アイHDは06年6月にミレニアムリテイリング(現そごう・西武)を完全子会社化。百貨店事業の成長とセブン&アイグループ各社とのシナジー創出に向けた取り組みを進めてきた。だが、環境の変化や新型コロナの拡大の影響などで、厳しい状況が続いていた。21年7月公表の「中期経営計画2021-25」(21~25年度)などで、そごう・西武を売却する意向を明らかにしていた。
そごう・西武の売却で、同社子会社の池袋ショッピングパーク(ISP)、ごっつお便、八ヶ岳高原ロッジ、地域冷暖房千葉、十合はセブン&アイグループから離れる。セブン&アイHD子会社のセブン・フィナンシャルサービス(7FI)が発行済株式の51.0%を保有するセブンCSカードサービス(SCS)の全保有株式もそごう・西武へ移管する見通し。一方、そごう・西武が発行済株式の75.2%を所有するロフトの全保有株式についてはセブン&アイHDへ移す予定だ。
売却先のフォートレスは傘下にヨドバシカメラを持つヨドバシHDと提携。売却後の事業運営方針についてそごう・西武と協議し、ヨドバシカメラでの収益構造の最適化や不動産の有効活用を通じて、成長を目指す。