政府は6月2日、「我が国の物流の革新に関する関係閣僚会議」を開き、2024年問題に対応する「政策パッケージ」の案をまとめた。
同パッケージは、今年3月に設置された閣僚会議にて、岸田文雄首相から緊急に取り組むべき対策をまとめよとの指示があり、有識者による検討会を経て、取りまとめられたもの。具体的には、(1)商慣行の見直し、(2)物流の効率化、(3)荷主・消費者の行動変容の三本柱で物流改善に向けた抜本的・総合的な対策を講じる。
まず、商慣行の見直しとして、運転手の待機時間や荷物の積み下ろしなどにかかる時間の削減を義務付ける法整備などを進める。「トラックGメン(仮称)」を設置し、荷主と運送業者の取引の監視を強化するほか、適正な運賃の収受には消費者が支払う送料への転嫁が不可欠として「送料無料」表示の見直しにも取り組む。
物流の効率化に向けては、自動化・機械化の推進や、ダブル連結トラックの導入促進などを進める。高速道路の最高速度引き上げも検討する。
荷主・消費者の行動変容では、経営者層の意識改革に向け、荷主企業の役員クラスに物流責任者を配置することを義務づける法整備などを進める。消費者に向けては、よりゆとりを持った配送日時を指定するなどの意識改革を促す。24年度に再配達率を現在の12%から半減する新たな目標も掲げた。
同日、経済産業省などから、荷主と物流事業者が取り組むべき事項を示したガイドラインも公表された。
今年末には業界・分野別の自主行動計画の作成・公表が行われ、24年初めには法制化も含めた規制的措置が具体的に動き出す予定だ。