政府が価格転嫁対策を強化する。
8月15日に開かれた物価・賃金・生活総合対策本部に経済産業省が提出した資料で明らかになった。今年9月を「価格交渉促進月間」と位置づけ、実際に価格交渉や転嫁ができたかどうかについて、下請事業者にフォローアップ調査を実施する。今年3月にも実施しているが、7月に抜本改正した下請振興基準を踏まえ、指導・助言の対象企業を拡大させる。
7月改正の下請振興基準では、毎年9月及び3月の「価格交渉促進月間」の機会を捉え、少なくとも年に1回以上の価格協議を行うこと、労務費や原材料費、エネルギー価格などが上昇した下請事業者からの申し出があった場合は遅滞なく協議を行うこと、下請事業者における賃金の引き上げが可能となるよう十分に協議して取引対価を決定すること、などが盛り込まれた。
また同日の物価・賃金・生活総合対策本部では、今年10月の輸入小麦の価格(麦価)改定時に、価格抑制を検討することも議論された。会議に出席した岸田総理は「このままだと10月以降、2割程度、価格が上昇するとの説明があった」として、10月以降も政府から国内製粉会社への売り渡し価格を据え置くよう指示した。
(会議に出席した岸田総理 出典:首相官邸ホームページ https://www.kantei.go.jp/jp/101_kishida/actions/202208/15taisakuhonbu.html)