国分グループ本社は5月11日、東京都立産業貿易センターで「国分酒類総合展示会」を開催した。テーマに「温故知新」を掲げ、古き酒の文化や技術を踏襲しつつ、今年10月に3年ぶりに実施となる「酒税改正」やアフターコロナを迎えた消費行動の変化を捉えた新たな酒類を多数提案。酒類メーカー179、食品・菓子メーカー23、計202社が出展し、当日は取引先など約1100人以上が来場した。

 まず本会場の3階、入り口のマーケティング企画コーナーでは「酒税改正」「インバウンド」「スポーツ観戦」「温活」「SDGs」「ノンアルコール」など今年のキーワードを打ち出した内容を紹介。それに続く、各ブースはこのキーワードに関連した商品や売り場づくりを提案しており、来場者に企画のヒントをわかりやすく訴求した。

今年の消費トレンドを掲載、来場者に企画のヒントを訴求

 特に注目のキーワードは「酒税改正」だ。「ビール」は税率を引き下げ、「RTD」は税率を据え置き、「新ジャンル」は税率を引き上げることから、ビールの需要拡大が見込まれる。出展したビールメーカーは、外出機会の増加による「外飲み」やコロナ下で拡大した「家飲み」の両輪に対応する新しい飲み方を3階中央のブースにて展開。例えば「外飲み」では、サントリーはジン「翠(スイ)」に森永製菓の「アイスボックス」を加えた飲み方を提案。注ぐだけで簡単に完成し冷却効果もあることからキャンプなど夏のイベントでの売り上げ拡大を図っていく。

サントリーのジン「翠(スイ)」に森永製菓の「アイスボックス」を加えた新しい飲み方

 そのほか、今年の価格改定を踏まえた対策として客単価アップの試みを強化。ワイン、和酒、ハイボールなど、それぞれのお酒に合うおつまみをエンドサイドや柱回りのサイドネットを活用した陳列で展示したほか、各出展メーカーとコラボしたお酒が進む食メニューの提案を打ち出した。

お酒に合うおつまみをサイドネットを活用し提案
お酒に合うバラエティー豊かな食メニューを提案

 国分が地酒蔵元の販路拡大を支援する「地酒蔵元会」では、北は北海道、南は九州まで県産米を使った地酒が大集合。新たに加盟した榮川酒造(福島県)を含む47の蔵元が集結し、こだわりの地酒をアピールした。

新たに加盟した榮川酒造(福島県)を含む47の蔵元が集結

 日本ワインのゾーンでは、国分専用商品「JWINE」に加盟するメーカーを含む計26社が出展。ハレの日やイベントに欠かせないスパークリングワインや気軽に飲み比べができる小容量ワイン、女性に人気のフルーツワインが集積。

国分専用商品「JWINE」に加盟するメーカーを含む計26社が出展

 2階は全国のエリアカンパニーやメーカーの推奨品を紹介。ロッテからは飲むアイスで定評の「クーリッシュ」から、昨年に続き2回目のテスト販売となる「フローズンサワー」を紹介。これは国分だけの取り組みで、今年もZOZOマリンスタジアム(千葉市美浜区)などの一部会場、店舗で展開する。全国展開については動向を調査し検討する考え。

メーカーの推奨品を紹介

 創業300年を超える老舗、食品・酒類総合卸グループの国分は、卸ビジネスで培ってきたノウハウを生かし、メーカー、小売業の新たな商いの支援を続けていく構えだ。