外食の代替需要を取り込みコロナ下でも売り上げが拡大

 平日の午後4時過ぎ、会社員の帰宅時間には少し早いが、銀座三越の食品売り場には、すでに大勢のお客の姿がある。小さな子どもを連れた若い女性に和服姿のシニアのカップル、年配の女性グループから出張帰りとおぼしきサラリーマン、外国人観光客まで、様々なお客が通路を埋める。お客の目当ては、夕食用の弁当や惣菜だ。弁当、和惣菜、洋惣菜、アジアンデリカとカテゴリーごとに分かれた売り場の壁には、有名店や老舗の名前が掲げられ、ショーケースには、おにぎり、中華惣菜、サラダ、ハンバーグ、寿司、松花堂弁当などなど、バラエティー豊かな商品が並ぶ。1000円未満の手頃な弁当類もあるが、大半は、2000円超のオードブル、1500円の弁当といったスーパーの3桁の売価を超えるワンランク上の商品だ。中には、100g1200円超のローストビーフ、一つ3500円の海鮮丼のような商品もある。日常的に買えるものではないが、ハレの日やちょっと奮発しておいしいものを食べたい時には、高級レストランに行くよりはお手頃だ。そうした少し贅沢な気分を味わえる商品を求めるお客で、夕方の食品売り場には活気があふれている。

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