三越伊勢丹ホールディングス(HD)は、2月1日、同社子会社の三越伊勢丹が保有する固定資産を譲渡すると発表した。譲渡するのは、現在、新宿マルイアネックスが入る東京都新宿区新宿3丁目1番26号の土地472.66㎡と建物(延床面積1万1079.87㎡)のうち同社の持ち分に当たる約28%。譲渡益は49億円で、譲渡先は非公開。譲渡の理由は、経営資源の有効活用による資産の効率化と財務体質の強化を図るためとしている。2月2日に売買契約を締結、3月31日に物件引き渡しの予定。

 同社が同日発表した2022年3月期の通期業績予想の修正では、売上高は、昨年11月発表の4350億円から100億円減の4250億円に下方修正する一方、経常利益は同10億円増の40億円、当期純利益は、上記固定資産売却益の49億円計上を踏まえ、同40億円増の70億円と上方修正した。

 三越伊勢丹HDは、デジタルシフトを視野に、経営資源の再配分、事業ポートフォリオの組み替えを進めており、21年3月期は、三越恵比寿店、イセタンハウス、バンコク伊勢丹などを閉店、有形固定資産は年間で240億円強減少した。今期も第3四半期までの9カ月で70億円強減少している。