三越伊勢丹ホールディングス(HD)がフィリピンに進出する。同社は野村不動産およびフィリピンの不動産大手フェデラルランドと共同開発した商業施設「MITSUKOSHI BGC」(冒頭写真イメージ、マニラ市)を11月18日にオープンする。フィリピンで日系の百貨店とデベロッパーによる複合開発プロジェクトは初めて。

 MITSUKOSHI BGCは、住宅4棟(総戸数約1400戸)の地下1階〜地上3階に開業。施設内には同日、食品スーパーの「MITSUKOSHI FRESH」とビューティーストア「MITSUKOSHI Beauty」もオープンする。

 MITSUKOSHI FRESHは「A Feast of Your Senses(五感にごちそうを)」がコンセプト。レストランやホテルで提供するようなパンを提供できる店舗を目指し、マニラの高級ホテルなどにOEM生産する企業との協業で、ベーカリーブランド「The Bakery」を立ち上げた。食パンやカレーパンといった日本ならではのパンを含め100種類以上のパンを取り揃える。健康志向の高まりに対応し、鮮度の高い素材を使用したサラダバーをフィリピンで人気のカフェレストラン「WILDFLOUR CAFÉ+BAKERY」と共同開発。同店のサプライチェーンを生かして、サラダのほか、フレッシュジュースや野菜惣菜の展開も予定している。

MITSUKOSHI FRESHのイメージ

 精肉・鮮魚コーナーも、同地区では初出店のテナントと協業して出店。日本基準で鮮度を管理するほか、インストアキッチン併設で、陳列された素材をお客の要望に応じて調理・提供するサービスを展開。日本からの空輸便を活用し、フィリピンでは手に入りづらい鮮魚や刺身も展開する計画だ。

 このほか、オリジナル商品「ISETAN MITSUKOSHI THE FOOD」シリーズをはじめ、1,000種類以上の日本からの輸入食料品を品揃え。需要が高まっている冷凍食品では、PBのラーメンや餃子、唐揚げなどを販売する。

「Be Essential, Be You.(ありのままのあなたで)」がコンセプトのMITSUKOSHI Beautyでは、フィリピン初となる「Waphyto」「E standard」「La Casta」など日本発のナチュラルコスメやオーガニックコスメ約10ブランドを展開。日本への旅行者の間で人気が高い日本のドラッグストアコスメブランドも豊富に取り揃える。商品を試すことができるカウンターを店舗内各所に設けた。

 またフィリピンで富裕層を中心に人気の日系サロン「kiyosa total beauty salon」と協業したサロンを展開。ネイルやアイラッシュ、ヘアブローなどのサービスを提供する。

MITSUKOSHI beautyのイメージ