全国スーパーマーケット協会は11月17日、長崎市の出島メッセ長崎において、第7回全国大会を開催した。全国大会は協会に加盟する全国の正会員、賛助会員など業界関係者が一堂に会する、親睦と慰労を兼ねた交流の場だ。前回の2018年東京大会以来3年ぶりとなった今回は、450名の定員を設定し、感染拡大防止策を徹底しての開催となった。

 式典では、横山清会長、大会実行委員長を務めた東美の佐々木達也社長、中村法道長崎県知事、田上富久長崎市長がそれぞれ挨拶に立った。横山会長は「食は命とイコール。どんなことがあっても私どもは食の供給を守る、命を守る仕事を完璧なものにしなければならない。20年はコロナ直前、21年はコロナの真っ最中にスーパーマーケット・トレードショーを開催した。22年2月にも、日本最大の食の展示会であるトレードショーをしっかり完璧にやり遂げたい」と強く意気込みを語った。

 続いて佐々木社長は、大会会場内に26の地元企業がブース出展した「長崎いじでうまか(とても美味しい)物産展」に触れ、「ぜひスーパーの店頭に長崎の商品を並べていただきたい」とアピール。中村県知事も「長崎の離島の地域活性化、産品のブランド化、販路拡大に力を入れていくので支援をお願いしたい」と語った。

 最後に田上市長は、「長崎市で明治時代にコレラが流行したことを受け、日本で3番目の近代水道が整備された。これはコロナの前よりももっと良い社会を目指すんだという教えでもあると思う」とした上で、「メッセ長崎は、国内観光客の皆さんだけでなく、もっといろんな理由で長崎に来ていただいて交流の輪を広めていただきたいという思いでつくった。交流により皆さんの絆やつながりを強められる場となることを願っている」と締めくくった。

(右上から)横山清会長、東美の佐々木達也社長、(左上から) 中村法道長崎県知事、田上富久長崎市長

 開会式の後の記念講演には、ジャパネットたかたの創業者である髙田明氏が登壇。タイトルは「夢持ち続け日々精進」で、自身のカメラ店時代の経験や、ラジオショッピングから始まった通販事業のエピソード、教訓、成功事例などを交えながら「あるものは受け入れないと進まない」「今を一生懸命生きること。2年先、3年先どうなるかと未来のことを心配するとダメになる」「ミッション(使命)・パッション(情熱)・アクション(どんなに思っても行動しないと意味がない)」「大事なことはどれだけの人を幸せにできたかだ」と参加者に語った。

ジャパネットたかたの創業者、高田明氏による記念講演が行われた

 晩餐会の前には、五嶋町くんち協賛会による龍踊りが披露された。龍踊りは日本三大祭の一つとして有名な、「長崎諏訪神社のくんち」に奉納される郷土芸能で、ステージ上を躍動する龍が会場を大いに沸かせた。続いて江戸の吉原、京の島原と並ぶ三大花街と謳われた長崎丸山の芸妓組織、長崎検番による舞いと演奏も披露された。

晩餐会では、五嶋町くんち協賛会による龍踊りが披露された

 長崎で亀山社中を結成した坂本龍馬は、大きく世の中が変わる幕末に「時勢に応じて自分を変革しろ」と説いたという。コロナ禍を経て、これから逆風が吹くであろう食品スーパーに問われているのも、まさに時勢に応じた変革と言えそうだ。

出島メッセ長崎の会場。着座にて十分な距離をとっての開催となった
26の地元企業がブース出展した「長崎いじでうまか(とても美味しい)物産展」