ヤマト運輸は11月5日、バーコードなどの高速・高精度読み取り技術を手掛けるスタートアップ・スキャンディットと協力し、トラックへの荷物の積み込みを視覚的に支援するAR(拡張現実)技術を導入した。
新技術は、ヤマト運輸のEC事業者向け配送サービス「EAZY(イージー)」を担う配送パートナー「EAZY CREW」が使うスマートフォンアプリに組み込まれた。
従来、トラックへの荷物の積み込みは、ドライバーが伝票に印字された住所情報を基に集配ルートを考えながら経験や勘を頼りに行われていた。
これに対し、スキャンディット社のシステムは、伝票をスキャンするだけで荷物の積み込み方、置くべき位置をAR機能で表示する。視覚的なナビゲーションによって、経験の少ないドライバーでも素早く効率的に荷物の積み込みが行えるようになる。
ヤマト運輸が事前に行った実証実験では、これまでの伝票読み取り時間が約1/3に短縮した。「お客様の利便性向上と働く環境の改善につながる」(齊藤泰裕EC事業本部ゼネラルマネージャー)と判断したことから、今般の導入に至った。
ヤマト運輸は今後、スキャンディットの技術を仕分け業務や配達業務にも展開するほか、複数の荷物(バーコード)を一括で認識するMatrixScan機能の活用も見据える。また、荷物の届け先などの個人情報を非表示化するため、配送伝票のQRコード化も両社で検討していくとした。