世界中で感染予防、環境対策、健康維持への関心が高まっている。今年50周年を迎えた「ヤシノミ洗剤」で知られるサラヤは、「衛生」「環境」「健康」の向上を企業理念に掲げ、創業から持続可能な社会に必要とされる企業を目指してきた。創業者である父親の後を継いだ2代目の更家悠介社長は、サラヤをグローバル企業へと飛躍させ、新事業拡大にも意欲を見せる。

交渉を続行し世界各地に拠点を広げる

――SDGsの観点からも環境対策の事業活動が求められるようになってきました。SDGsを重視した御社の先駆的な取り組みはどういうところからきたのでしょう。

 更家 現在の新型コロナのような感染症への予防が創業の始まりです。1950年代に赤痢が、紡績工場で働く住み込みの従業員の間で広がったり、一般の人々にも広がるなど、今のコロナ禍のように社会問題化していました。そこで、私の父(故・更家章太氏)が、感染予防の基本である「手洗い」の重要性に着目し、52年に日本で初めて、手洗いと同時に殺菌・消毒ができる公定書外医薬品「パールパーム石けん液(のちのシャボネット)」を開発したのです。そして、手洗いを習慣とするための標語をポスターにして、学校や工場などに取り組みを広げてきました。

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