ファンケルは今年創業40周年を迎えた。4月にリニューアルオープンした「銀座スクエア」は、ファンケル40周年の象徴として「体験型店舗」に生まれ変わった。あいにくコロナでその体験を充分堪能することはできないが、体験をテーマにした店作りにファンケルがお客とのつながりをいかに大事にしているかが窺える。通販で直営店でお客と直に接するのはファンケル最大の強み。コロナ禍でもその強みを生かした仕掛けが様々成されている。(インタビュアー・栗田晴彦)
情報システムの自前化が功を奏した
――コロナ禍で今上期は厳しい決算でしたが、通期では減収幅が大幅に縮小する見通しです。迅速な回復の要因は何でしょう。
島田 昨年度はインバウンドの売り上げが約180億円あって、全体の15%を占めていたんです。これが全部吹き飛び、なおかつ緊急事態宣言で直営店240店が1カ月半休業になって、上期は売上高が前期比18%減、営業利益が45.2%減まで落ち込みました。ただ弊社は化粧品と健康食品が二本柱ですが、化粧品はスキンケアが中心で、マスクと出控えで需要が減っているメイクアップは1割程度しかない。そのため国内需要については、打撃が軽微で済んでいるんですね。