一般社団法人日本衛生材料工業連合会(日衛連)の創立70周年記念式典と、2021年度事業活動計画の記者会見が6月21日に帝国ホテルで行われた。その中で、日衛連が原案を作って厚生労働省・経済産業省に申請していた、マスクの日本産業規格(JIS)が制定されたことを発表した。

 一般用マスク、医療用マスクを対象とした「JIS T9001」(医療用及び一般用マスクの性能要件及び試験方法)は6月25日前後から受付が開始され、日衛連(全国マスク工業会)の会員の有無は問わずに、同工業会の審査を受けることができる。JIS規格の適合性審査は、審査を希望する企業の商品が対象となり、JISに適合と審査されたマスクは認証番号が発行され、商品パッケージにJISの表示ができる。日衛連によるとすでに審査への応募が殺到しており、日衛連の会員でも審査には1カ月前後の時間を要するという。また流通関係者には、JIS制定前の在庫から販売してもらうように依頼した。

 さらに環境対策マークの活動も開始。廃棄に関する2種類(①ポイ捨てしないことを働きかける、②適切な廃棄を促す)の表示を今後2年間で順次、会員各社の商品パッケージへの掲載を進める。気候変動・環境への対策では、リサイクルパルプのJIS制定により、使用済み紙おむつのマテリアルリサイクルを推進する。

 また日衛連の次期2年間の執行体制も発表された。13年から8年間、日衛連会長を務めてきたユニ・チャームの高原豪久社長が退任。新たな日衛連会長には、花王の澤田道隆会長が選出された。高原社長は常任理事として新たに環境委員長に選出された。  記念式典で日衛連の高原前会長は、「紙オムツや吸水性樹脂をはじめとしたJIS、ISOによる国内外での基準規格化が13年から本格化してきました。21年にはマスク、ワイプス、紙オムツ、生理処理用品、軽失禁用パッドの環境表示ガイドラインを作成。日衛連はESGという人類共通の課題に向かって、新たな姿に生まれ変わっていきます」と振り返った。続いて、日衛連の澤田会長は、「アフターコロナの今後の環境に向けて私たち衛生材料業界の責務を果たすべく、会員一同、意を1つにして国民の保健衛生の向上に努めてまいります」と決意を新たにした。

(トップ画面は左から創立70周年記念式典の実行委員長となったユニ・チャームの高原豪久社長、新たな日衛連会長に選出された花王の澤田道隆会長)