セブンイレブン・ジャパンは7月30日、東京都小平市と「資源循環に係る協定」を結び、同市内のコンビニ店舗で回収したペットボトルを再利用する取り組みを始めた。独自の回収機で集めて再びペットボトルとして原料化し、飲料メーカーに届ける。セブンイレブンがペットボトルのリサイクルで連携する自治体は、東京都東大和市、茨城県行方市に続いて3例目となる。

 回収機は市内の19店に設置する。店舗が一時保管したペットボトルを、小平市清掃事業協同組合が回収、運搬。リサイクル事業を手がける協栄産業が再資源化し、飲料メーカーが再び製品化する仕組みだ。リサイクルにより、ペットボトル製造過程でのCO2排出量は25%削減できるという。

 消費者へのインセンティブとして、セブンイレブンはペットボトル5本の持ち込みに対し、グループの電子マネー「ナナコ」を1ポイント付与する。小平市は広報を通じ、市民にペットボトル回収の周知を図るとともに、正しい分別方法を啓蒙。両者で役割分担を行いながら、資源循環の活動を進めていく。同日行われたセレモニーに出席した小林正則市長は、「新型コロナウイルス拡大による外出自粛で、家庭から排出されるペットボトルごみは昨年より増加している。海洋汚染の問題もある中で、今回のリサイクルの取り組みは大変意義深い」と語った。

 現在、セブンイレブンではペットボトル回収機を東京都、埼玉県、茨城県、沖縄県内の369店(2020年6月末)に設置。グループ全体では744店・820台(20年2月末)に上り、1年間で3億6500万本相当のペットボトルの再利用につなげている。ただし、「単純に店舗にどんどん機械を置いていけば、それだけで取り組みが進むかというと、そうではない」とサステナビリティ推進室の金子亘環境推進マネジャーは指摘する。ごみの回収・再利用のルールは都道府県、市町村単位で細かく異なり、1律の条件で広げられないためだ。金子マネジャーは、「それぞれの地域において1つ1つ条項を確認しながら、双方の合意の上で個別の運用を図る必要がある。取り組みそのものの〝持続可能性〟を担保しながら、リサイクルの輪を広げていきたい」と今後の方針を述べた。

回収機を体験する小林正則市長