セブンイレブン・ジャパンは、自動販売機を活用した時短営業の実証実験を、直営店の「練馬南大泉5丁目店」(東京都練馬区)で2月27日より開始した。店内の入り口近くに6台の自動販売機を設置、深夜0時から翌朝6時まで自動販売機エリアと店内を仕切り、自動販売機エリアのみで営業を行うというもので、実験は1年間実施する予定。

 設置する自動販売機は、たばこ、コーヒー、飲料、食品3温度帯(冷凍・チルド・常温)の6種類で、取り扱いアイテム数は180。このうち3分の1の60アイテムはたばこが占める。食品は、おにぎりやサンドイッチ、弁当など、同店で夜間に需要の大きい商品を中心にラインアップした。なお、賞味期限が切れたものは自動的に販売が停止する。

 売り場には、給湯用のポットと電子レンジを備えたほか、その場で食べる人向けにカウンターも設けた。また、防犯カメラの台数を通常の売り場より増やし、安心感も高めている。

店舗の入り口右手に設けられた自動販売機コーナーには6台の自動販売機が並ぶ
深夜0時~朝6時までは自動販売機コーナー以外の部分は仕切りを閉めて入れないようにする

 同店は住宅地立地で、深夜0時~朝6時の間に1日平均70人程度の利用がある。実証実験では、そうした利用者のニーズに自動販売機で応えることで夜間閉店の影響をどれだけ抑えられるかを検証する。なお、店舗を閉鎖する時間帯でも、洗い物や清掃、荷物の受け取り、品出しなどの作業があるため、店内には2名を配置し、無人にはしない。それでも、「コンビニの夜間作業はけっこうたくさんあり、夜間作業しながらの接客は難しい。売り場を分けることで夜間作業に集中できるため、人手を抑えられる」(川北篤リクルート本部新規事業推進部副統括マネジャー)と見ている。

 ちなみに、自動販売機を設置することで、売り場の面積は狭まったが、通路を狭くするなどの工夫でアイテム数はほとんど変わらないという。今回の実験は、郊外の住宅地立地だが、今後は、繁華街やロードサイドでの実験も随時検討していく方針だ。