ローソンは10月28日、全国各地の外食企業35社とコラボした商品を順次発売すると発表した。新型コロナウイルスの感染拡大で客足が減っている外食各社と連携し、専門店の味付けにこだわった新商品を開発。外食の販路を広げるとともに、レシートクーポンを利用した相互送客なども行いながら、マチ(地域)を元気にしようという試みだ。
新商品の監修に協力したのは、ラーメンチェーンの幸楽苑ホールディングス(HD)や老舗洋食店のたいめいけん、生クリーム専門店「Milk」を展開するオペレーションファクトリー、そのほか旭川や博多、尾道のラーメンの地場企業など。まず11月3日から、幸楽苑監修の「からあげクン」など7品を全国のローソン約1万4000店で発売。11月下旬からはMilkのシュークリームなどを売り出し、12月からはたいめいけんのハヤシライスドリアなどを販売予定だ。ご当地グルメについてはエリア限定の展開となり、例えば旭川市の老舗ラーメン店「天金」が監修した正油ラーメンは11月17日から北海道エリアのみで展開している。
またコラボ商品の購入で実店舗の割引クーポンを発行する取り組みもスタート。こちらも幸楽苑HDとの連携を皮切りに、徐々に取り組み企業を広げていく考えだ。
発表当日の会見では、ローソンの竹増貞信社長と6社の外食経営者が登壇したほか、15社の外食経営者がビデオ通話で参加。場所を超えてのトークセッションが行われた。各社ともこの間の状況を「先行きが全く見えず不安だった」と吐露したものの、一方で店内環境の整備やテイクアウト対応など、それぞれが工夫しながら対策に取り組んできたことを紹介。幸楽苑HDの新井田昇社長は、「これを機にドライブスルーの仕組みや配膳ロボットを導入した。コロナがなければやらなかったことを始め、そこからいろいろとわかることもあった」と前向きに語った。串カツ田中HDの貫啓二社長は、「コロナ禍で外食が悪とされ、非常に厳しい状況があったが、ローソンとのコラボで戦う気力が湧いてきた。中食、内食に入り込むために何ができるか、社内のモチベーションは高まっている」と意欲を示した。
ローソンは引き続き、冷食・日配などの品揃え強化、フードデリバリーサービスの拡大とともに、外食企業との連携を強化する方針。竹増社長は、「専門店の味を再現した商品を近くのローソンで食べてみて、次は店で、という動きにつながってくれればと思う。マチの元気を後押ししながら共存共栄を図りたい」と話した。
(画像は日本各地をリモートでつないだ会見の様子。登壇者は前方左からローソン竹増貞信社長、串カツ田中HD貫啓二社長、たいめいけん茂出木浩司オーナーシェフ、ヨシカミ吾妻弘章社長、後方左からオペレーションファクトリー岩井大輔スイーツディレクター、幸楽苑HD新井田昇社長、麺食中原誠社長)