セブンイレブン・ジャパンは4月21日、アスラテック及びソフトバンクと共同で、自律走行型ロボットを使った商品配送実験を開始した。ソフトバンク本社が入居する「東京ポートシティ竹芝オフィスビル」で展開するもので、利用者と店舗をつなぐラストワンマイル戦略の一環として取り組む。

 実験では、アスラテックが香港メーカーから販売委託を受ける配送ロボット「ライス」を活用する。カメラやセンサーによる自律走行で障害物をよけ、安全に商品を目的地まで届けられるのが特徴だ。既にライスを用いた配送は今年1月から同ビルで検証が始まっていたが、これまではセブンの店舗がある34階フロアのみでのテスト展開だった。今回の実験からは、エレベーターのシステムと連携することで複数フロアへの配送が可能となっている。

 ロボット配送の手順は以下の通り。利用者であるソフトバンク社員がセブンの「ネットコンビニ」から商品を注文すると、商品を載せたライスが配送先に応じてエレベーターに乗り、指定フロアへと移動する。この時エレベーターはライス優先となり、人の使用ができない旨のアナウンスが流れる。ライスが配送先に到着すると、注文者のスマホに暗証番号が送られるので、注文者はこれを入力して商品を取り出す。その後、ライスは元来た道をたどり、店舗へ戻るという流れだ。

エレベーターのシステムと連携しフロア間の移動も可能

 配送可能な商品は約550品。酒やたばこなどの免許品、アイス・冷凍食品などは不可だが、セブンカフェの商品は専用のホルダーを使うことで届けられる。なお、今回の実験では別途配送料金は設定していない。

 実験期間は6月30日まで。セブンイレブンによると、ここまでの利用傾向としては、「昼時に、弁当とドリンクの組み合わせ注文が多い」という。現状、実用化に向けた具体的なスケジュールは未定というが、今回の実験で得られた知見を用い、より詳細なニーズ分析、課題の洗い出しを進めるとしている。

 コロナ禍で非接触・非対面のニーズも高まる中、セブンイレブンは最新技術を活用した新たな商品提供のあり方についても絶えず模索を続ける構えだ。

(トップ画面は「ネットコンビニ」の注文商品を届ける自律走行ロボット)