11月20日、新たなランドマークとなる商業施設「心斎橋PARCO(パルコ)」がオープンした。全国で18店舗目となる店舗で、渋谷、名古屋と並ぶ東名阪の旗艦店の位置づけとなる。平日・休日ともに人通りの多い大宝寺通り沿いに立地し、大阪メトロ御堂筋線「心斎橋駅」とも直結。通りを挟んで隣り合う大丸心斎橋店本館とは2~10階でつながっており、百貨店との回遊性も高めた。
新店舗は、「モード」「アニメ」「NEW飲食」「アート」といったエッセンスに、百貨店のテーマである「ラグジュアリー」「高級飲食」「ゴルフ&スポーツ」を加え、大型専門店、シネマコンプレックス、多目的ホールなども配置。大阪の文化を表現するフロアのほか、関西エリア初、日本初といった独自性の高いテナントも多く入居しており、全170店を集積する16階層の大型商業施設として心斎橋エリアで圧倒的な存在感を示しそうだ。
新型コロナ拡大後、新たにデジタルの要素を加えた様々なイベント企画を打ち立ててきたパルコのノウハウも生かされている。
デジタルとアートを連動させた作品の展示のほか、館内にはデジタルデバイスを活用した遠隔操作ロボット・Sota(ソータ)を設置。このロボットは、オペレーターが離れた場所からお客と会話、目的地へと案内するものだが、同店では実証実験としてオペレーターよりもロボットを多く配置し、お客の案内をする接客の場を多くすることにトライしている。
オープンに先立ち、11月17日にはメディア内覧会を実施した。牧山浩三代表取締役兼社長執行役員は「9年前、『必ず戻ってくる』と約束した商店街のみなさまにも、今回の再出店は『本当に大きくなって戻ってきたね』と歓迎された。今後は様々なコラボなど、地元と連携ができる施設としてさらに進化を重ねていきたい。館内では、ショッピングはもちろん、多くのアートが楽しめる。さらには、『1週間後にはまた変わっているだろうな』というライブ感も散りばめられている。パルコでも大丸でもない、新しい複合ビルとして、いろいろな人に来店していただき、買い物をしなくても1日回遊するだけで楽しめる施設を目指します」と意気込みを語った。
これまでインバウンド需要が大きかった心斎橋エリア。心斎橋パルコは海外の旅行者が再び心斎橋に訪れるようになったとき、地元の人が一番消費していて、時間を過ごしているビル、つまり、日本で最も魅力的な商業施設の一つとして認知してもらえるようブランド価値を醸成していく。
(画像は9年ぶりに復活した心斎橋PARCO)