アフターコロナを見据え、百貨店・ショッピングセンター(SC)の構造改革が急ピッチで進んでいる。実店舗ではこれまでにない発想のテナントや体験型売り場などを誘致、これにネット販売やOMO戦略をかけ合わせ、旧来型のビジネスモデルを変革しようと各社が手を打ち始めている。この2年間の苦境を経て、百貨店・SCはいかに生まれ変わろうとしているのか。全4回の連載で百貨店・SC変革の「今」を追いかける。

16年ぶりに仕掛けた大リニューアル

 4月、JR池袋駅の東口、明治通りに面した「池袋パルコ」1階の風景が1変した。ガラス窓からのぞける商品群は、スマホケース、スニーカー、おひとり様サイズのシフォンケーキ、コンセプチュアルなコスメまで多種多様。これまでレディースファッション1色だった売り場を大きく変えたのだ。夕方の店内には若い女性客のみならず、カップルやスーツ姿のサラリーマン、50代以上と思しきお客の姿もちらほら見える。客層の幅は周辺に林立するSCと比べても広い印象だ。

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