コロナ禍は、公共交通機関に乗降客激減の経営環境悪化要因をもたらしている。それに加えてJR九州を襲うのは、年中行事化した地震や集中豪雨の自然災害。今年七月も集中豪雨に見舞われ、久大本線、肥薩線が壊滅的な被害を受けた。路線、乗降場、橋りょうの流失、土砂流入の写真を見ると復興が想像を超える難事業であることがわかる。その現実を淡々と受け止め、九州経済の要となる大動脈を守り抜く。その姿勢の確かさにただ頭が下がる。(インタビュアー・栗田晴彦)

 

ダウンサイジング改革を迅速に実行

 ――新型コロナの感染拡大が経営を直撃しています。

 青柳 この第1四半期(4~6月)は鉄道旅客運輸収入が前年比34.9%で、今まで経験したことのない減収になっています。これまでも景気が悪いと利用が減ることはあって、最も大きかったリーマンショックの時は10%落ち込みました。しかし今回は7割近くの減収ですから、桁違いの打撃です。何しろ瞬間風速では約90%減もありましたから。

 ――非鉄道事業の方も甚大な影響が。

 青柳 駅ビルなどのテナント収入が前年比41.9%、ホテル事業が20.9%、流通・外食事業が75.4%で、いずれも未曽有の事態になっています。中でも厳しいのは大都市のホテルです。インバウンドもビジネス客も消失して、稼働率がなかなか2桁にならない。

この記事の購読は有料購読会員に限定されています。
まだ会員登録がお済みでない方はこちらから登録ください。
有料購読申込

すでに会員の方はこちらから