GDPの成長より「六保」の実現が問われる

 中国国家統計局が4月17日に発表した第1四半期の国内総生産(GDP)は、前年同期比6.8%減少し、過去の四半期ベースの統計が確認できる1992年以降、初めてのマイナスとなった。同日開催された中国共産党中央政治局会議は、第1四半期の経済状況が極めて厳しかったことを認め、「経済基盤を安定化させる」ことを強調した上で、初めて「六保」という新たな経済政策を打ち出した。

「六保」とは、「雇用、基本的民生、市場主体、食糧とエネルギーの安定、企業サプライチェーンの安定、末端組織運営の維持」を指す。これは、2018年7月末に出された「六穏(雇用、金融、貿易、外資、投資、期待の安定)」という政策と比べて、経済の安定のみならず、就業や基本的民生を含む社会的安定をも強調している点に特徴があり、コロナ禍による大きな打撃を受けた中国経済を苦境から脱出させ、国の安定を図る政府の緊急対応策とされている。

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