コロナの追い風がやみ市場が急変
フードデリバリーが正念場を迎えている。コロナ禍の外出自粛の中、家にいながらにして飲食店のメニューが最短30分程度で受け取れる手軽さが認知され急成長。参入ラッシュを迎えたが、資本投下に見合う需要を獲得できず、事業縮小・撤退を決断する企業も出ている。昨年だけでも独デリバリーヒーロー、中国の滴滴出行、米ドアダッシュといった海外大手が日本から撤退。今年に入ってからは、国内系で主に東京中心に展開していたチョンピーが5月15日をもってサービスを終了した。シェアを争うプレーヤーは出前館、米ウーバー・テクノロジーズ(ウーバーイーツ)、新興系のメニュー、欧州のウォルトのほぼ4社に絞られる状況だ。
背景にあるのは市場の急変だ。調査会社のエヌピーディー・ジャパンによれば、2022年のデリバリー市場は7754億円となり、19年対比で85%増となったが、21年比では1.6%減と頭打ちとなった。コロナの分類が5類に移行したのちは、飲食店の客足も回復傾向にあり、配達をやめる店舗もじわり増えている。