24時間問題でコンビニ業界が揺れた昨年5月。イオンの岡田(元也)社長(当時)が、「問題の本質は、本部と加盟店の契約の在り方にある」と、FCビジネスの今後に一石を投じた。イオンの子会社ミニストップは、大手コンビニ3社の後塵を拝し、売り上げ、店数で見劣りする。だからこそ、これまでのビジネスモデルに捉われず、新たな本部と加盟店の共同事業構築に踏み込むこともできるのではないか。(インタビュアー・栗田晴彦)
粗利配分では加盟店との溝が広がる
――コンビニを取り巻く環境が激変する中で、2021年度からFC契約の仕組みを抜本的に変える方針を発表しました。
藤本 現在色々な検証をしながら詳細を詰めている最中ですが、考え方としては、単純に分益モデルではなく、本部と加盟店が共同出資のような関係でやっていこうということなんですね。出資にはお金もあれば、ノウハウなど無形のものもあって、その中には本部が負担しているものも加盟店さんが負担しているものもあります。それを全部オープンにして、家賃、減価償却費、システム費、人件費、光熱費など店舗にかかる経費をすべて差し引いた最終利益を分け合うようにしようと。その分配比率は出資に応じて変えていきます。例えば本部が家賃を払う場合と加盟店さんが物件を用意する場合では、当然比率が変わるということです。