「こくまろ」ブランドの価値を新たにシチューでも提供
内食をめぐるニーズが多様化する中、ハウス食品は2026年秋冬、「『自分にとってのちょうどいい』を。」をテーマに魅力的な新製品を投入する。同社は移り変わる時代に合わせた「進化するおいしさ」を追求し、食卓における「複数の最適解」の提案に力を入れていく構えだ。
8月10日より、発売30周年を迎えたロングセラーブランド「こくまろ」シリーズから「シチュー」が登場するほか、24年連続売り上げナンバーワン※1の「咖喱屋カレー」では新たに「咖喱屋カレーEX」を発売。スパイスカテゴリーでもラインアップを拡充し、若年層のニーズに特化した新製品を投入するなど、提案の幅を広げている。
ハウス食品がこうした製品開発を強化している背景には、生活者の消費動向の変化がある。近年、物価高が続く状況下でコスパ志向が高まり、節約するものと奮発するものにメリハリをつけてお金を使う「メリハリ消費」が加速。同社では、こうしたニーズに対しては日々の満足度を向上させる「ハリ消費」がポイントになると分析している。また、コスパに加えてタイパも重視する傾向が強まり、消費者は時間やお金をかけてまで失敗したくないという意識が強まっている。ここに向けては「失敗せずに充実」を訴求。さらに、消費者の嗜好自体も多様化が進み、味や楽しみ方など、それぞれに「自分好み」を求めるニーズも増加しており、ハウス食品では様々な好みに合わせた「カスタム・アレンジ」を提案し、暮らしのあらゆる変化に対応する姿勢を貫く。
シェアナンバーワン※2を誇るルウシチュー市場では、「こくまろシチュー」〈クリーム〉〈ビーフ〉(税別参考小売価格267円)を新発売。1996年の発売以来、「二つのおいしさをブレンド」という発想が厚い支持を得ている「こくまろ」の価値をシチューでも提供する。ロングセラーブランド「こくまろ」の安心感に加え、手頃な価格でありながら、二つのブレンド「濃厚×シチューらしさ」を打ち出した高クオリティ製品に仕上げた。担当者は「既存のルウシチュー市場にない、新たな価値を持つ製品」と胸を張る。

開発にあたって、消費者は物価高の中で食に対して引き続き経済性を求めている一方、「味や品質は落としたくない」「知っているブランドから選びたい」という意識を持っていると分析。品質の面では、味のキーとなる素材の選定と調和にこだわった。〈クリーム〉では炒め玉ねぎのコクと生クリームのまろやかさを味のキーとしながら、ミルク由来の原料やチーズの絶妙なバランスを探り、さらに炒め玉ねぎ、コンソメ、キチンブイヨンなどの旨みを調整。奥深い味わいを追求した。〈ビーフ〉でも味のキーとなるデミグラスの選定に特にこだわり、香味野菜の甘みやビーフの旨みを感じられるデミグラスを使用。トマト原料も用いることでバランスの取れた風味設計としている。こうした工夫で、ほかの低中価格製品にはない〝濃厚さ〟と〝クリーム感・デミグラス感〟を実現。さらに、ご飯との相性も考え、どちらも粉末しょう油を隠し味に使用しており、育ち盛りの子どものいる家庭でご飯と一緒に食べてもらうシーンも想定している。
「こくまろ」シリーズは26年2月にすべてのルウ製品のパッケージをリニューアルしており、今回の「シチュー」でも鍋を木べらで煮込んでいるシズルを採用。同シリーズの世界観を守りながら、「家族の温かいイメージ」や「コク深く、まろやかなシチュー」が伝わるデザインとしており、「こくまろ」ブランドの新定番として打ち出していく。
※1:出典:㈱インテージ SRI/SRI+ 月次データ レトルトカレー市場、SRI期間:2002年1月〜2016年12月 累計販売金額、SRI+期間:2017年1月〜2025年12月 累計販売金額
※2:出典:㈱インテージ SRI+ ルウシチュー市場 期間:2025年4月〜2026年3月 指標:推計販売金額
特許技術でスパイス感をアップした「咖喱屋カレーEX」
レトルトカテゴリーでは「咖喱屋カレーEX」〈中辛〉〈辛口〉(税別参考小売価格262円)を新発売する。1999年に誕生した「咖喱屋」ブランドは「コクがありスパイスのきいた専門店のような味わい」を手頃な価格で提供。本格的なクオリティと豊富なバリエーションが支持されており、累計販売個数は約26億食※3を超える、こちらもロングセラーブランドだ。

今回は「咖喱屋カレー」シリーズならではの29種類のスパイスがきいた味わいはそのままに、ハウス食品の特許技術を活用した「アロマ焙煎スパイス」を複数種使用して、スパイス感をアップ。「アロマ焙煎スパイス」とは、それぞれのスパイスの特性に合った最適な温度と時間で焙煎し、スパイスの特徴的な香りと焙煎の香ばしさを引き出したもので、食後に広がる余韻まで楽しめる。また、「スパイスと相性の良いコク」を吟味し、〈中辛〉では飴色玉ねぎ、〈辛口〉では3種のブイヨンを選定。計80回もの試作を繰り返し、華やかなスパイス感と濃厚なコクの絶妙なバランスを実現した。さらに、従来の咖喱屋カレーと比べて、じゃがいもはサイズアップした上で1.2倍に増量、にんじんも1.9倍に配合量を増やし、具材の満足感も大きく向上させている。
パッケージでは、具材感や濃厚感が売り場でより伝わるようシズルを大きく配置。「EX」のロゴは黒と金の配色で高級感とインパクトを訴求し、これを目立たせることで「咖喱屋カレー」の上位品であることを表現した。「食品ではあまり使われない『EX』という名称をあえて用いることで、この製品の特別感を伝えていきたい」と担当者は狙いを明かす。「咖喱屋カレー」の贅沢仕様として、同ブランドを普段から購入している消費者をはじめ、おいしさや食べ応えを重視する層に向けて提案する。
※3:1999〜2026年出荷実績計
「背徳感」をキーワードにトレンドを押さえた製品も投入
スパイスカテゴリーでも新機軸の製品をラインアップ。本物志向の「GABANⓇ」ブランドから登場するのは、新食感の「ソルティグリーンペパー」(税別希望小売価格698円)だ。洋風スパイス市場はコロナ禍の特需や物価高による内食回帰などが追い風となり、2025年度は140%弱(17年比)と伸長。中でも「GABANⓇ」は180%強と市場を上回る伸長率でカテゴリー全体の成長に貢献している。
新製品の「ソルティグリーンペパー」では、ハウス食品グループのバリューチェーン経営を生かして開発された点が大きな特徴だ。バリューチェーン経営とは、「栽培・調達」といった川上の部分から、「商品化・販売」といった川下の部分まで視野を広げ、それぞれのプロセスの連携を深めてシナジーを生み出しながら経営すること。今回、インドネシア・ジャワ島の胡椒農家で栽培された未成熟の胡椒(グリーンペパー)を現地グループ会社のジャワアグリテック社が調達・加工し、ハウス食品が商品化・販売することで、このオリジナルスパイスを生み出した。

また、昨今の「背徳グルメ」「ギルティ」ブームを捉えた調味料「背徳ブースター マシマシにんにく唐がらし」(税別参考小売価格398円)を新発売。3種類のにんにくを用いたパンチのある旨みと2種類の唐がらしの後引く辛みが特徴で、カップ焼きそばや唐揚げ、ポテトなどに振りかけることで、手軽に旨みと辛みを増強(ブースト)できる。特定のメニューに限定しない風味設計のため、幅広く使える汎用性も魅力だ。
この「背徳感」をキーワードにした製品開発に際しては、20代を中心とした若年層のニーズを探るため、社内総勢20名以上の若手社員にインタビューやパッケージデザイン調査を実施。簡便さ・トッピングを加えられるカスタム性が求められていることを反映したほか、パッケージは13種類の候補の中から、目を引く黄色と背徳感を醸し出す紫色のインパクトの強いデザインが採用された。また、パッケージにはにんにくと唐がらしのイラストを使用し、風味や特徴を直感的に訴求。裏面に「使い道無限大」のコピーや使い方のイラストを記載することで、使い勝手の良さをアピールする工夫も施した。

消費動向や市場環境の変化に応じて製品ラインアップの進化を続けるハウス食品は、これからも様々な生活者の「自分にとってのちょうどいい」を叶える提案に力を注いでいく。






















