実質賃金と生活実感の乖離

 総務省が公表した、家計支出に占める食品支出の割合を示す、2025年のエンゲル係数は、2人以上世帯で28.6%にまで上昇した。この水準は、44年前の1981年と同水準である。エンゲル係数は、経済的な豊かさを示す指標として知られている。2013年頃以降の上昇は、国内の貧困化を示しているとして注目されており、また1981年当時の生活水準に低下したとの評価もみられている。

 81年は、79年の第2次オイルショックによる物価高騰がようやく落ち着きを見せ始めた時期であった。当時は高度経済成長の延長線上にあり、実質賃金は上昇傾向にあったため、70年代後半に30%を超えていたエンゲル係数は低下局面にあった。

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