沖縄ファミリーマートとのコラボ企画に、「富士そば」との限定メニュー開発――。 沖縄県のうるま市が地域ブランディングを強めている。市の特産品に加え、豊かな自然や文化、さらには人と人が育むあたたかさなど、様々な市の魅力を“感動の源”として打ち出し地域を盛り上げるべく、一昨年に「感動産業特区うるま市」を宣言。足元で取り組みを加速させている。
うるま市は今年7月、沖縄ファミリーマートとのコラボ企画「地域ド密着プロジェクト」を実施した。市内事業者が関わり、惣菜やスイーツなどの限定商品を開発。沖縄全土のファミマ店舗で販売した。また同8月にはダイタングループが関東で展開する立ち食いそばチェーン「富士そば」ともコラボ。うるま市勝連地域産のもずくを用いた「生もずくそば」などを発売し、もずく生産量日本一のまちをアピールした。

うるま市が企業などとも連携し、ブランディングを強める背景には、コロナ禍で地域産業がダメージを受けたことがある。そこで2021年に初当選した中村正人市長(現職)は、地域の魅力ある人・ものの再発見と、それを市の内外に発信する施策に注力。「うるま市は、人が輝き、地域のありのままが感動を生むまち」という思いを「感動産業特区」のテーマに込め、市の自立的・持続的な成長を目指す共創活動を積極的に展開している。
この一環として、うるま市は11月25日、地域活性化イベント「まんまうるまブランドサミット in TOKYO」を東京都内の会場で開いた。メディア関係者や、うるま市に拠点を構える関連事業者など、約60名を招待。市職員自らが「市役所の顔」として来場者とフランクに交流し、ビジネスフレンドシップを築く、新たな自治体プロモーションの形を提示した。


イベントでは、中村市長と、ブランディングに詳しい合同会社広報の森代表の上岡典彦氏とのトークセッションが行われたほか、後半には「うるまの食」をふるまう交流会を開催。オーク樽で貯蔵した熟成泡盛「暖流CRAFT」の提供をはじめ、勝連産もずくの天ぷら、ブランド豚「うるまの海ぶた」のしゃぶしゃぶなどがテーブルに並び、食を通じた”感動体験”が参加者の会話を弾ませた。




うるま市は、本サミットを皮切りに、首都圏企業との企業版ふるさと納税や事業共創といった連携をさらに強める意向だ。今年で市制施行20周年を迎え、勢いづくうるま市。地域に眠る豊かなブランド資産を活用し、今後も市の内外にファンを増やす取り組みを推し進めていく。
(冒頭写真は、ブランドサミット参加者による集合写真)
















