イトーヨーカ堂は5月22日、惣菜ブランド「ヨーク・デリ」を立ち上げると発表した。

 これまでは惣菜売り場に複数のブランドが存在していた。売り場や商品の容器、販促などを統一することでブランド価値向上を目指す。ロゴにはハトのマークを使用し、ブランディングは佐藤可士和氏が担当した。

 刷新にあたり商品の中身も見直した。例えば弁当のごはんは、セブンイレブンの米を監修している八代目儀兵衛に同じく監修を依頼。冷めても甘い米を目指し、複数の産地のブレンド米を使用、低温精米で米への痛みを軽減、店内炊飯では水の温度や浸水時間を調整するなどの工夫を重ねることで、弁当の米に最適な調整を行った。

 卵焼きはふわっと感を重視し店内加工にこだわっている一方、従来の鉄板での製造では1本作るのに3分かかっていた。これを専用機を導入することで2本を2分30秒でできるようにし、生産性を向上させた。専用機は6月以降、102店舗に順次導入する計画だ。

八代目儀兵衛の監修でごはんを見直した弁当。大森店では売り場拡大で弁当の売り上げが2桁伸びている
寿司。ロゴマークには白い鳩を採用
ファミリー層に人気の卵焼きは専用の機械を開発し製造の生産性を向上させた
セントラルキッチンのピースデリで製造しているポテトサラダ
大田区の学校給食で人気の「たこぺったん」を商品化。今後店舗従業員などと一緒に地域商品も開発する
改装した大森店の惣菜売り場。壁面に並んでいた商品を平台などに並べることでボリューム感を打ち出している

 ヨーク・デリのアイテム数は約250(そのうちピースデリの商品が35)で、将来的には300(同50)まで増やしていく考え。また2025年度までに惣菜商品のオリジナル化100%を目指すことも掲げた。

 惣菜は、25年度にEBITDA550億円の目標を掲げるイトーヨーカ堂にとって、トップラインを上げるための重要な部門となる。今期は食品売り場の改装を62店舗で計画しており、25年度には惣菜売り上げ構成比15%、客数4%増を目指す。

 説明会で山本哲也社長は、「他社が真似できない絶対的な味を追求し、差別化していく」と意気込みを語った。

(冒頭写真は右から山本哲也社長、伊藤弘雅商品本部長)