日本総合研究所、イトーヨーカ堂などは1月11日、イトーヨーカドー曳舟店(東京都墨田区)において、食品ロスを減らすための実証実験を始めると発表した。同実験は、日本総研が立ち上げた民間事業者の研究会「スマート・フード・コンサンプション(SFC)構想研究会」の活動の一環として取り組むもの。経済産業省の委託事業を一部活用し、1月12日~31日、2月9日~28日の計40日間実施する。
今回の具体的な実験内容は3種類。フードチェーン全域を産地~小売店舗、小売店舗、小売店舗~消費者の3領域に切り分け、それぞれの領域でIoT技術を活用した取り組みを行うことで、食品ロス削減に向けた方策を探るのが狙いだ。
まず「産地~小売店舗」で行うのが、青果物の新たな価値訴求・販促だ。凸版印刷が提供する電子タグを使い、出荷から販売までの商品の状況を管理することで、今店頭に並んでいる青果物についてより多様な情報を消費者に提供。消費を喚起することで食品ロス削減を目指す。例えば生産者が、「○日出荷分の野菜は、収穫の前後がこんな天気だったので、味にこんな特徴がある」といった情報を入力したら、それを販促用に加工し、売り場の商品と連動させてデジタルサイネージやトッパングループが運営するチラシアプリ「Shufoo!」でアピールする。品目はアイコトマト、なめこ、ほうれん草の3品目からスタートする。