イトーヨーカ堂は9月14日、イトーヨーカドー横浜別所店(横浜市南区)で12月6日まで実施中の使用済みプラスチック容器回収の実証実験の模様を公開した。

 回収対象はメーカー問わず〝リサイクルプラマーク付き〟の商品容器。店舗入り口付近に「菓子・シリアル袋」「食用油・調味料のボトル・チューブ」「納豆・弁当容器(本体・フタ)」と容器ごとに分けた回収ボックスを三つ設置した。公開日には地元保育園児が来場し回収実験を体験、その様子をマスコミ各社にアピールした。

 この取り組みは、使用済みプラスチックの再資源化技術を開発する企業、アールプラスジャパンに出資する12社によるもの。

 アールプラスジャパンは、プラスチックの材質に左右されず、かつ効率よく元のプラスチック素材に戻すケミカルリサイクル技術の開発に取り組んでいる。今回の実験は、多様なプラスチック材質が使われている食品容器のリサイクルにこの技術の適用可能性を探るために行うもので、これまで回収事例が少ないものも含め、幅広い食品容器を回収対象とする。

 業界横断の取り組みとしては今回が2回目。1回目は2022年11月、道の駅みのりの郷東金(千葉県東金市)で菓子袋や食用油ボトルを対象として1カ月間実施。今回はその結果を踏まえ、「納豆容器」と「弁当容器」を回収対象に新たに加え、期間も約3カ月に延長し実施する。

 横浜別所店での取り組みについて、アールプラスジャパンの横井恒彦社長は、「対象商品の拡大と都市型の大型商業施設での実施から、1カ月で前回の10倍近い量のプラスチックが回収できる」と予想し、経済合理性を検証する考えを示した。イトーヨーカ堂の経営企画室サステナビリティ推進部小山遊子総括マネジャーも「実験結果次第では今後、対象品目と対象店舗を拡大することも視野に入れている」と発言。両社協業によるシナジーの拡大に期待を示した。

 イトーヨーカ堂は、かねてから環境問題に取り組んでおり、91年から店頭にビンや缶などの回収ボックスを設置、12年にはボトルtoボトルのリサイクル促進のため、ペットボトルの自動回収機の設置を開始している。今後も環境負荷の少ない効率的なリサイクル資源の回収方法の確立を目指し、環境活動を推進する構えだ。