ローソンとKDDIは11月8日から、AIとロボット技術を組み合わせた新たな店舗DXの実証を「ローソン S KDDI高輪本社店」で開始する。店内を巡回して売り場の欠品を検知するロボットと、商品を品出しするロボットの2種類を導入し、商品陳列棚の欠品把握とバックルームの在庫把握・品出し業務における従業員の負担軽減を目指す。
売り場の欠品を検知するロボットには、撮影機材を搭載し、画像解析AIを組み合わせて商品陳列棚の欠品検知を行う。あらかじめ設定した売り場の棚配置をもとに、自律走行ロボットが最適なルートで店内を巡回。ロボットに搭載した4Kカメラで撮影した棚画像をAIで解析し、プライスカードや商品パッケージから商品名、棚割り、商品の状況を正確に把握する。AIの解析結果と、同店に導入されている店舗運営支援システム(防犯カメラの情報をもとに棚の充足率や来店客の行動を可視化できるシステム)を連携させることで、人流と欠品状況の分析から最適な棚割りを検証する。また商品を品出しするロボットには、店舗業務を事前に学習し手掴みでの繊細な作業が再現できるアームを搭載し、品出し自動化の実証を行う。同店ではすでにウォークインで飲料の品出しをするロボットを導入しているが、新しいロボットはAIによる状況判断の下、バックルームでの菓子やインスタント商品の在庫ピックアップ、売り場への搬送、陳列までを自動でこなす。実証では、特徴の異なる2種類のアームを使用する。基本的な動作に対応する2指グリッパーモデルと、人の手の動きを再現して手掴みでの繊細な作業も可能な5指ハンドモデルで、それぞれのアームの作業の適性を見極めていく。ローソンはKDDIとの協働で、2030年度に店舗オペレーション30%削減の目標を掲げる。高輪での実証結果をもとに、今後、他店舗への拡大も視野に展開を目指す。
また国内の実証と並行して、海外のローソン店舗向けのAIソリューションも動き出している。9月からフィリピンの一部店舗にAI発注システムを導入。さらに店舗ごとの販売実績や購買傾向をAIが分析し、品揃えを最適化する仕組みや、防犯カメラの映像をAI解析することで売り場の商品陳列やレジの混雑状況を可視化する取り組みも始めた。ローソン・KDDIはテックを駆使したオペレーション効率化と売り上げ向上の検証を国内外で加速させていく構えだ。














