コンビニ業界3位のローソンが上場廃止となる。ローソンに2.1%を出資するKDDIがTOB(株式公開買い付け)を実施し、出資比率を50%まで高め、現在50.1%を出資する三菱商事とともに50%ずつの持分法適用会社として、2頭指導体制に移行するためだ。TOBは4月を予定し、ローソンは9月に非上場となる見込みだ。

 2月6日の記者会見には、三菱商事の中西勝也社長、KDDIの髙橋誠社長、ローソンの竹増貞信社長の3人が出席した。ローソンにKDDIの通信やデジタルの力を掛け合わせることで、「グローバル・リアル・テック・コンビニエンス」を目指すという。具体的にはローソン店舗とauショップで互いの商品やサービスを取り扱うほか、ローソン店舗でのリモート接客による薬の服薬指導やスマホのサポート窓口などのサービス向上、共通ポイントである「ポンタ」の強化、バリューチェーンの最適化などを挙げている。

 今回の新体制への移行に動いたのは三菱商事だ。記者会見で中西社長は「三菱商事だけではローソンの企業価値を上げるのには限界がある」と明かした。三菱商事は2000年にローソンと業務提携を結び、01年に筆頭株主、17年に過半を出資する親会社となった。この間、三菱商事はグループシナジーを通じ、サプライチェーンやデリバリーなどの機能を付加してきた。しかし、現状ローソンはコンビニ業界2位の座を、サークルKサンクスと統合したファミリーマートに奪われ、首位セブンイレブンとの日販の差もなかなか埋まらない。その中で、ローソンの次の成長戦略として三菱商事が描いたのがリアル×デジタル。「(KDDIの)髙橋さんとお話させていただいている中で、次に繋がるコンビニになるという確信があった」(中西社長)ことが決め手になったという。

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