KDDIは10月2日、これまで展開してきた「auスマートパス」をリニューアルし、新たに「Pontaパス」の提供を開始した。従来のサービスはそのままに、ローソンとタイアップした企画を中心に内容を強化した。ローソンへの50%出資を機に同社とのシナジーを強め、ポイント経済圏の拡大を図る狙いだ。
従来のサービスは月額料金548円(税込)で、ローソンや飲食店などで利用できるクーポンのほか、映像・音楽・書籍サービスが使い放題になる特典などを提供していた。新たにスタートするPontaパスでは、料金据え置きで、ローソンで月総額600円以上お得になる週替わりクーポン「ウィークリーLAWSON」の配信を開始。また、Ponta提携社においてauペイで支払うとポイント還元率が上乗せされる「Pontaパスブースト」の特典が加わる。同日開催した記者会見にて、KDDIのパーソナル事業本部 サービス・商品本部の繁田光平副本部長は、「ローソンだけで毎月最大1100円以上お得になる。日々の生活にお得感とワクワク感を提供していく」と強調した。
クーポン企画はローソンの商品政策、マーケティング施策とも連動させて展開する。またコラボ商品も月ごとに投入していくとして、10月は直径約18cmの「大きなピザパン」(214円)などを発売。会員以外にもお得を訴求するとともに、会員にはこれらの商品を半額で提供する。ローソンの勝田暁常務執行役員マーケティング戦略本部長は、「今後はKDDIのAI技術とローソンのデータを活用し、AIが個々のお客様に最適な特典をプロデュースする取り組みも行っていきたい」と展望を語る。
さらに10、11月にはリニューアルを記念したキャンペーンの第1弾を開催するほか、渋谷109のはす向かいのビルにポップアップストア「PontaパスStation」を開設。10月3~13日の期間、からあげクンや記念グッズのプレゼント、ライブイベントなどの実施でPontaパスの体験をリアルの場でアピールする。
三菱商事のS.L.C.グループ リテイル本部 アライアンス推進部の佐藤隆史部長は、「ローソンを中心にKDDI、我々の3社でまずポイントプログラムにおける協力体制ができたことは喜ばしい。さらなるサービスの充実で、Ponta経済圏の拡大に努めたい」と力を込めた。
コンビニ業界では先日、セブンイレブンがVポイントとの協業を発表した。ポイントによる囲い込み戦略も各社各様、ここへ来て熾烈を極めている。