既存ビジネスの成功体験に傾注し過ぎていた

「既存ビジネスの成功体験が強く存在する中で、我々はそこに傾注し過ぎている部分があった。『両利きの経営』でよく言われるように新しいことにも踏み出して環境変化に対応するには、カルチャーを変えていくことが必要だ」。カルチャー変革プロジェクトリーダーで人事本部長を務める松井大執行役員(冒頭写真)はそう強調する。トップダウン経営からの脱却を目指すセブンイレブン・ジャパンは、社内組織や人材育成の在り方を見直す「カルチャー変革」を推進中。今後のビジネスをより発展させていくために取り組んでいるのが、①経営層の一体化、②シン管理職研修、③仕組み、④定着化――の四つのステップだ。

 まず1点目は、「経営層の一体化」だ。同社は2023年、創業50周年を迎えた。これを機に目指す姿として「明日の笑顔を共に創る」を掲げ、「次の便利の扉を開き、世界中に豊かな暮らしを実現する」をミッションに、「価値ある商品・サービスを通じて、健康な社会を実現する」など4点からなる「ビジョン」と、「挑戦・変革」「自律・自立」「共創・共感」「信頼・誠実」「感謝・貢献」の5点からなるバリュー(価値観)を設定。この価値観を社内全体にどう浸透させていくのか、まずは変革のリーダーである経営層が共通認識を持つことが重要だと捉えた。

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