イオンとキユーピーなど食品メーカー9社は5月、加齢に伴い心身の活力が低下するフレイル(衰弱)予防の普及に向け、「一般社団法人日本フレイル予防サービス振興会」を立ち上げた。予防に役立つ商品やサービスを認定する自主認証制度の運営など、普及・啓発に向けた活動を推進し、健康寿命延伸への貢献を目指す。
フレイルとは、健康と要介護の中間に位置する状態を指す。栄養や身体活動など適切な介入を行うことで、健康な状態への回復が見込めることから、近年その予防と早期対応の重要性が注目されている。これまで数年にわたって、東京大学高齢社会総合研究機構が中心となり、産学連携によるフレイル予防の実証研究・事業化研究が行われてきた。その成果を、より効果的かつ持続的に社会実装するため、有志企業10社により同法人が設立された。2024年に発足した「フレイル予防推進会議」と連携しながら、産業界としてフレイル予防推進に向けた活動を実施していく。2社のほかにマルタマフーズ、伊藤ハム、ニチレイフーズ、日清オイリオグループ、ニッスイ、はごろもフーズ、フジッコ、明治が参加する。
設立を前に同法人は、小売りとメーカーが一体となって取り組む認証制度の設立に向けた、売り場での実証実験を実施した。イオン店舗の売り場において、商品やPOPを活用し、フレイル予防の重要性を訴求し予防に役立つ商品を提案したもので、今後は商品やサービスなど食生活提案に関するガイドラインを策定し、自主認証制度の運営や推進に取り組む方針だ。認証は日本健康・栄養食品協会が行う。
6月25日に都内で開かれた設立会見で、代表理事を務めるイオンの久木邦彦責任者ヘルス&ウエルネス担当は「まだまだ認知度の低いフレイル予防の普及に向け、まずは啓発事業に重点を置いて活動していく」とし、「業界・業態を問わず、フレイル予防に必要な栄養・身体活動・社会参加に関する幅広い分野から広く仲間を募りたい」と呼びかけた。
(冒頭写真 設立会見に出席した久木邦彦代表理事(イオン責任者ヘルス&ウエルネス担当、中央)、加納優子理事(キユーピー執行役員広報・サステナビリティ本部長、右)、矢島鉄也理事(日本健康・栄養食品協会理事長)