売上高の97%を占めるM&SのPB
英国におけるスーパーのPBは「品質保証の象徴」として始まり、日本や米国とはかなり異なる発展を遂げてきた。この国初のPBは1884年創業のマークス&スペンサー(M&S、冒頭写真)が1928年に立ち上げた「セント・マイケル」ブランドだ(現在は「M&Sブランド」に統合)。質の高い商品を良心的な価格で提供というコンセプトの下、食品から衣料品まで幅広い商品を発売。1950年、自社ブランドのみを扱う店となったことで消費者の厚い信頼を得て、地方都市の雑貨屋から英国を代表する高級スーパーへと成長した。数年前からはコカ・コーラなどごく少数のナショナルブランド(NB)商品も置いているが、売り上げに占める割合は3%以下だ。
M&Sに他社が追随する形で発展した英国のPBだが、70年代オイルショック不況の中、市場シェアトップのテスコに「バリュー」シリーズが登場。安い原料や簡素な包装で低価格を実現し、生活苦に喘ぐ消費者に提案した。ここからPBのコンセプトは多様化していった。