食品小売業にとってはまさに「干天の慈雨」と言える存在
PBが食品小売業の救世主と化している。スーパー、コンビニなど食品小売業がインフレ下で、お客の節約志向、価格競争激化、コスト上昇の三重苦に直面しているのは周知の通り。NBとほぼ同等のものを2~3割安く提供でき、差別化も図れ、粗利益率もNBより10~15%高いPBは、その三重苦を一挙に軽減できる唯一の手段だが、NBの値上げが続く中で相対的に安いPBを購入する人が急増。食品小売業にとっては、まさに「干天の慈雨」と言える存在になっているのだ。
実際、2024年度は大手の有力PBから中堅SMのPBまで、販売額が軒並み拡大。セブン&アイのグループPB「セブンプレミアム」は、初めて1兆5000億円を突破した。その約9割を食品が占めており、中核の「セブンプレミアム」も高価格帯の「セブンプレミアムゴールド」も前年を超えたが、躍進著しいのは21年7月発売の低価格ライン「セブン・ザ・プライス」で、分母が小さいとは言え前年の2倍に増えている。