アマゾン・ドットコムは、米国市場において新たなショッピングアプリ「アマゾン・ホール(Amazon Haul)」をベータ版として導入した。1点当たり20ドル以下の商品の取り扱いに特化したショッピングアプリで、取扱商品の多くは10ドル未満に価格が設定されている。
ファッション、ホーム、ライフスタイル、エレクトロニクスなど多岐にわたる商品群を対象とし、アマゾンマーケットプレイスが提供する「A-to-Z保証」によって保護されている。配送期間はおおむね1週間から2週間である。
米国内の顧客がアマゾン・ショッピングアプリの最新版にアップデートすることで利用可能となり、モバイル(スマホ)に加えデスクトップPCでの操作も可能だ。
取扱商品例としては、ヘアカット用トリマー3点セットが2.99ドル、カラフルなテーブルランナーが2.99ドル、iPhone16用のスマートフォンケースが1.79ドル、女性用の伸縮ベルトが1.99ドル、タッチスクリーン対応の冬用手袋が3.21ドル、ネックレス、ブレスレット、イヤリングが2.99ドル、調理用トング2本セットが4.99ドルで販売されている。
25ドル以上の注文で配送料無料に
注文額が25ドル以上の場合、配送料は無料となる。25ドル未満の注文には、3.99ドルの配送料が課される。さらに、50ドル以上の注文には5%、75ドル以上では10%の割引がそれぞれ適用され、まとめ買いほど節約になる仕組みだ。
3ドル以上の商品は配達後15日以内であれば無料で返品可能。返品手続きは全米8000カ所以上のドロップオフ拠点で対応しており、アマゾン・フレッシュ、ホール・フーズ・マーケット、UPS、コールズ、ステイプルズなどの施設がその対象である。
すべての取扱商品はアマゾンマーケットプレイスの「A-to-Z保証」により保護され、商品の状態に問題がある場合(破損、欠陥、説明と異なる場合など)にも補償が適用される。
配送時間より、とにかく「安さ」を重視
アマゾンは現在、35以上のカテゴリで3億点以上の商品を取り扱っており、その大部分は世界中の販売パートナーによって提供されている。独立系販売業者の参入(アマゾンマーケットプレイス)は20年以上前から始まり、商品登録や出荷を自社で行うか、アマゾンのフルフィルメント・バイ・アマゾン(FBA)サービスを活用してアマゾンが代行する体制が整備されている。
2024年には全世界で90億個以上の商品を即日または翌日に配送し、アマゾン・プライム会員は配送手数料として平均500ドル以上を節約したという。また、アマゾン・プライムの新たな特典として、全米約7000カ所のBP、アモコ、AMPMの各ガソリンスタンドでガロンあたり0.1ドルの割引が適用されるようになった。この特典により、年間平均で約70ドルの節約が見込まれている。
アマゾン・ホールは、こうした既存の迅速な配送・低価格路線とは一線を画し、「時間はかかっても良いので、もっと安く買いたい」というニーズに対応するものである。即日または1日配送の利便性を重視するプライム会員サービスと並行して、安価志向の消費者をターゲットとした新たな価格帯の導入と位置づけられる。