アマゾンが、ライバルであるグーグルと、消費者を欺く偽レビュー仲介業者に対する法的措置と協力体制の拡大に乗り出した。10月28日、偽レビューを仲介するウェブサイト「Bigboostup.com」に対して並行して訴訟を提起した。
同サイトは、アマゾンとグーグルのプラットフォーム上で偽の製品およびビジネスレビューを販売しており、悪意のある投稿者がアマゾンストアやグーグル検索、グーグルマップに偽レビューを投稿するために利用されていた。
消費者の購入決定に悪影響
消費者は購入決定においてレビューに大きく依存しており、報酬を受けて投稿されたレビューは顧客にそれが公正で独立したものであると誤解させる。アマゾンのセリングパートナー信頼・ストアの整合性担当ディレクターであるクレア・オドネル氏は、「すべてのレビューが顧客の実際の体験に基づくものでなければならない」と述べ、レビューの信頼性が購買決定においていかに重要であるかを強調した。今回の提訴は、消費者を誤解させる偽レビューの販売を食い止めることを目的としており、同様の違法行為を行う悪意のある仲介業者への強力な警告となる。
アマゾンはこれまでも、偽レビューに対してゼロトレランス(非寛容)の方針を取ってきた。2023年には、約2億5000万件以上の疑わしい偽レビューを公開前にブロックするなど、多大な投資を行ってきた。専任チームが同年に米国、中国、ヨーロッパで150件以上の偽レビュー仲介業者に対して訴訟を起こしている。
また、アマゾンはBetter Business Bureau(BBB)とも共同訴訟を行っており、BBBやアマゾンのストアに偽レビューを提供している「ReviewServiceUSA.com」に対する法的措置も実施している。
アマゾンが提起した別の訴訟では、被告は購入者に偽レビューを書かせるために金銭や製品の返金を提供していたとされ、これにより本来の製品評価を不当に操作していた。さらに、レビューに対する「役に立った」という評価を購入し、上位表示させるなど、顧客を欺く行為が行われていた。
フェイク広告による被害は日本でも拡大しており、フェイスブックを運営するメタ・プラットフォームズが告訴されるなどの動きが広がっている。ネット大手の信頼性向上への取り組みは待ったなしだ。