アマゾンは、オンラインで処方薬を購入できる「アマゾンファーマシー」にて、服用のタイミングが同じ薬を、1回の服用分ずつ1袋にまとめる「一包化」を無料提供する(処方薬のみが対象で、ビタミンやサプリメントは除く)。
顧客は、必要な薬をあらかじめ日時ごとにパックに分けられた状態で受け取れるので、薬を管理するストレスから解放される。特に慢性疾患を抱える人々、家族の処方薬を管理する介護者、忙しい職業人や親、さらには認知機能に問題がある人々や手先の器用さに問題がある人々にとって非常に価値がある仕組みだと言える。
2023年の調査では、米国の成人は、家族や愛する人の健康管理に月8時間相当を費やしているという。「一包化」によって、こうしたコストも大幅に節約される。
このサービスを手掛けるのはピルパックだ。アマゾンは2018年にピルパックを買収し、このサービスを個別のサービスとして運営してきた。今回このサービスをアマゾンファーマシーに統合することで、ユーザーの利便性はさらに高まる。アマゾンファーマシーおよびピルパックの最高医療責任者であるヴィン・グプタ医師は、「ピルパックの患者は平均6種類の薬を服用しており、毎日それを管理するのはかなりの負担である」と指摘している。
アマゾンファーマシーのピルパックサービスは、月ごとに自宅に無料で薬が届けられる。顧客は処方薬の費用のみを支払えばよい。プライム会員の処方薬割引のほか、メディケアを利用しているプライム会員が月額5ドルで60種類の処方薬に無制限にアクセスできる「Rxパス」などのサービスを組み合わせれば、さらに節約が可能だ。
現時点では、州や連邦政府が資金提供している医療プログラムの加入者はピルパックサービスを利用できないが、アマゾンは今後数か月でこの制限を緩和し、対象者を拡大する予定だ。(写真はアマゾンファーマシーの動画より)