アマゾンが、自社の配送代行サービス(FBA:フルフィルメント・バイ・アマゾン)を利用する販売者(パートナー)に対して、購入者からの返品処理をスムーズに管理するための柔軟なオプションを充実させる。

 かねてから購入者(顧客)に対しては、個別サイズ推奨機能やレビューのハイライトを示し、生成AI(人工知能)を活用したショッピングアシスタント「Rufus(ルーファス)」などの機能を導入して、商品とのミスマッチを防ぎ返品を抑制してきた。

 それでも返品が発生した場合について、アマゾンは顧客と販売パートナーのニーズに応じた返品プロセスを最適化する新たな取り組みを始めている。主な施策は以下の四つだ。

(1)グレード&リセール:返品商品を再販するプログラム。再販前に、商品の状態を徹底的にテストして状態を詳しく説明することで、顧客がより正確な情報に基づいた購入決定を行えるようにしている。電子製品については、評価の一環として電源を入れ、テストし、工場出荷状態にリセットしている。各商品には、品質チェックに基づいて「新品同様」「非常に良い」「良い」「許容範囲」のいずれかの状態が割り当てられる。

 以前は小売りブランド向けに提供されていたが、FBAを利用する販売者からもこのサービスが求められていたため、米国の販売者に拡大した。返品された在庫の再販チャネルを提供するとともに、顧客にとっては中古品や開封済み製品の選択肢が増えることになる。

(2)製品サポート:小売りブランドおよびFBAブランドは、購入後に製品のセットアップや使用方法、トラブルシューティングのサポートを提供する無料の製品サポートを顧客に提供することができる。昨年はこのサポートによって米国とヨーロッパで1100万件以上の商品の返品が避けられた(前年比50%増)。

(3)返品しない解決プログラム:米国ストアの販売者が登録することで、顧客にアイテムを物理的に返品させることなく返金することができるようになる。特に国際的な販売者や低価格アイテムを扱う販売者にとって、返品を処理するためのよりコスト効率の良いオプションとなる。

(4)FBA献金プログラム:アマゾンは非営利団体の物品寄付サイト「グッド360」と提携し、さまざまな理由で再販できないがまだ十分に使える製品について、支援を必要とする家族や個人に寄付している。