米食品・医薬品小売大手のアルバートソンズ・カンパニーズは8月5日、傘下のセーフウェイがチャットGPT向けプラグインを公開したと発表した。デジタル戦略の一環として位置づけられるもので、利用者は対話形式で食料品を探し、注文を組み立て、購入手続きへ進めるようになる。
新プラグインは、利用者が「お気に入り商品を再注文したい」「新商品を見つけたい」「セール品を確認したい」といった自然な言葉での要望をチャットGPTに伝えると、それに応じてセーフウェイの商品やカート・決済機能と連動する仕組みだ。レシピや写真、あらかじめ作成した買い物リストからの注文にも対応する。購入の最終判断は利用者自身に委ねられており、決済前にカートの中身を確認・変更できるほか、実際の決済はセーフウェイのプラットフォーム上で行う設計となっている。
利用の流れは次の通りだ。まずチャットGPTのサイドバーにある「プラグイン」欄から「セーフウェイ」を検索して接続し、セーフウェイのアカウントでサインインする。その後は会話の中で「@Safeway」と入力するだけでプラグインが自動的に呼び出される仕組みとなっており、「毎週の買い物リストを再注文して」「4人分の手軽なパスタ夕食を計画して」といった依頼を起点に、チャットGPTが商品の提案からカートへの追加までを支援する。利用者はいつでもカートの内容を見直し、追加・変更・削除ができ、最終的な決済のみセーフウェイ側のプラットフォームへ移動して完了する流れだ。想定される利用場面には、献立の計画、買い物リストの作成、商品の発見、再注文、セール品の検索などが挙げられている。
AIショッピングアシスタントに続く一手
今回のチャットGPT向けプラグインは、同社が既に展開しているAIショッピングアシスタントや「Ask AI」機能といった、AIを活用した購入支援の取り組みの延長線上に位置づけられる。これらのツールは、商品発見の手間を減らし、利用者の要望に応じた提案を行い、日々の買い物にかかる工程を短縮することを狙いとしている。
アルバートソンズ・カンパニーズでデジタル顧客体験を担当するジル・パブロビッチ上級副社長は、「あらゆる接点で顧客をAIによって支え、より速く簡単で楽しい買い物体験をシームレスに提供することを目指している」と述べたうえで、消費者がAIを使った食料品の買い物への関心を強めているという調査結果に言及した。そのうえで、「チャットGPT向けプラグインの提供により、買い物を会話するのと同じくらい簡単なものにし、顧客が選ぶタイミングと方法に合わせて接点を持てるようにするとし、日常の買い物の摩擦を減らすためのAI活用の一つの実践例だ」と説明した。なお、消費者の関心の高まりについては、英データ分析大手ダンハンビーが2026年2月にまとめた米国消費者動向調査を根拠として挙げている。
チャットGPTへのプラグイン提供という手法は、小売企業が自社アプリやサイトへの誘導にこだわらず、消費者が既に使い慣れた対話型AIの中に購買接点を持ち込む発想だ。決済自体はセーフウェイのプラットフォームに戻す設計になっている点からは、購入データやチェックアウトの主導権は自社側に残しつつ、発見・提案の入り口だけを外部のAIサービスに開放するという線引きがうかがえる。
アルバートソンズはAIショッピングアシスタントや「Ask AI」機能を既に展開しており、今回のプラグインはその延長線上にある。複数のAI活用施策を並行して積み上げていることから、同社が食料品購入における「探す・選ぶ・決める」という一連の工程のどこにAIを介在させるかを、チャネルごとに使い分けながら検証している段階にあるとみられる。















