ウォルマートは6月11日、ECサイト「ウォルマート・ドット・コム」を通じた国際配送サービスを開始し、まずメキシコの消費者向けに開放したと発表した。衣料品、家庭用品、電子機器など多様なカテゴリーにわたる数十万点の商品が購入できるようになる。

 同社はこの取り組みを、マーケットプレイスの品揃え拡充と、より多くの顧客への利便性・価値・選択肢の提供という方針の一環と位置づけている。また、ウォルマートが展開する既存のEC事業を補完するものでもあると説明している。

 マーケットプレイス部門の上級副社長であるマニッシュ・ジョネジャ氏は「顧客が幅広い品揃えを手軽に利用できるようにすることに注力している。世界中でウォルマート・ドット・コムのマーケットプレイスの品揃えにアクセスする方法が進化する上での一つの節目であり、まずメキシコに届けられることを喜んでいる」と述べた。

将来的に国際配送の対象国をさらに拡大する方針

 配送は、米国内の顧客向けに日々利用されている物流網を通じて行われる。通関手続きは実績ある国際物流業者が担当し、安定した配送の確保を目指す。また、決済画面において関税・税金・手数料の見積もりが事前に表示される仕組みを採用しており、配送後に予期せぬ追加費用が生じることはないとしている。

 開始に際しては期間限定の優遇措置として、対象商品を35ドル以上購入した場合に送料が無料となるキャンペーンを実施する(関税・税金は別途発生)。詳細な利用条件はウォルマート・ドット・コム上で確認できる。なお、同社は将来的に国際配送の対象国をさらに拡大する方針を示している。

 なお、同社はメキシコ国内においてもウォルマート・デ・メキシコ(ウォルメックス)を通じたECを展開しているが、今回のサービスは米国版サイトの品揃えをそのままメキシコ消費者に届けるものであり、両者の役割は異なる。

 関税・手数料の事前表示という設計は、国境をまたぐ電子商取引における消費者の不安要素の一つを取り除く試みとして評価できる。また国際配送の対象国を将来拡大するとしている点は、同社が掲げるマーケットプレイス事業の世界展開という方向性と一致しており、今後の動向が注目される。