米食品小売大手アルバートソンズ・カンパニーズは、人生の特別な瞬間を計画・実現するための統合デジタルプラットフォーム「セレブレーションズ」を発表した。傘下のアルバートソンズ、セーフウェイ、ACME、ショーズ、ジュエル・オスコ、ランドールズ、ボンズ、トム・サムの各ウェブサイトとアプリ全体で利用可能となり、誕生日、ベビーシャワー、ブライダルイベント、季節の祝日など、あらゆるイベントに必要な商品とサービスを1カ所に集約した。
同社デジタルカスタマーエクスペリエンス担当のジル・パブロビッチ上級副社長は、「アルバートソンズ・カンパニーズでは、お客様が、あらゆる機会に食の喜びを簡単に得られるよう注力している。セレブレーションズは、祝い事の必需品を一箇所にまとめ、数百万人の顧客に対し、イベントの計画と買い物をより便利に、より個人のニーズに対応し、嬉しいほど簡単にする」と述べた。
ケーキのオーダーメイドからAI推奨まで、包括的なイベント支援
セレブレーションズは、パーティー計画に必要な多様な要素を統合している。主な機能は以下の通り。
商品・サービス面では、オーダーメイドケーキのデザイン選択と事前注文、バレンタインデーやビッグゲーム(スーパーボウル)から、おとぎ話や動物テーマまで対応するテーマ別ショッピング、花・バルーン・カード類などのパーティー用品と装飾、ブランチスプレッドからシャルキュトリーボードまでのケータリングオプション、自社ブランド「オーバージョイド」と「シグネチャー・セレクト」からのパーティー必需品、ワイン・ビール・スピリッツ・ノンアルコールカクテルなどの飲料オプション(地域により異なる)を提供する。
計画支援面では、キュレーションされたパーティー計画チェックリスト、ユニークなレシピと祝祭的なアイデア、パーソナライズされたメモの追加や贈り物としての直接送付オプション、そして配達と店頭受け取りのオプション(地域により異なる)が含まれる。
特筆すべきは、AI搭載イベント計画機能である。アルバートソンズのAIショッピングアシスタントが、テーマ選択からキュレーションされた商品アイデアの閲覧、関連オファーの提示まで、顧客のあらゆる機会を迅速に計画する支援を行うこと。個々のお客に合わせた提案を数分で行い、ショッピングをより速く、よりスマートに、より個人のニーズに対応したものにすることができる。
「すき間時間」でのイベント計画を可能に
同プラットフォームの設計思想は、現代の消費者行動に着目している。セレブレーションズは、現代のイベント計画が「すき間時間」――学校への送迎、仕事の会議、日常の責任の合間――で行われることを意識している。顧客はコーヒーブレイク中にイベントのアイディアを閲覧し、昼休み中に注文を確定し、移動中に詳細を調整できる。これらすべてを、信頼するアルバートソンズグループの店に期待する高品質基準を維持しながら実現するのがウリだ。
パブロビッチ上級副社長は、「通常の食料品注文と同じ簡単さで祝賀イベント全体を計画できる機能を追加することで、顧客のショッピング体験を向上させている。この統合こそがセレブレーションズを真に革新的にしている」と説明した。
顧客は、各地域のアルバートソンズ傘下企業のアプリまたはウェブサイトで、「ショップ・モア」タブの下にある「セレブレーションズ/重要な瞬間」に移動することで、今日から特別なイベントの計画を開始できる。
オムニチャネル時代の「機会売場」
アルバートソンズの取り組みは、小売業界における「機会売場」の概念を大きく進化させるものである。従来、パーティー用品は店舗内の複数カテゴリーに分散し、顧客は生花売場、ベーカリー、デリカテッセン、ワイン売場を巡回する必要があった。セレブレーションズは、これらを統合デジタル体験として再構築している。
AI活用による個別化推奨は、単なる商品検索の効率化ではなく、顧客の「意思決定疲れ」を軽減する。パーティー計画という非日常的なタスクにおいて、AIが適切な選択肢を絞り込むことで、顧客体験の質が大きく向上する可能性がある。
また、自社ブランド「オーバージョイド」と「シグネチャー・セレクト」の戦略的配置により、イベント用品という高マージン商品カテゴリーに自社ブランドを投入することで収益性と差別化を同時に追求している。
課題としては、イベント計画は本質的に「低頻度・高関与」の購買行動である。週次の食料品購入と異なり、顧客が年に数回しか利用しないサービスの定着には時間がかかる。また、オーダーメイドのケーキや装飾品の「実物確認」というニーズに、デジタルチャネルだけでどこまで応えられるかは検証が必要だろう。
それでも、アルバートソンズの試みは、食品小売業が「食事提供」だけでなく「生活の重要な瞬間への貢献」にもコミットできることをデジタル世代にアピールするものだといえる。

















