2000年代初頭、ベトナムではすでに和食店が増え始めていたものの、その多くは日本人オーナーによるもので、主な客層も日本企業の進出に伴って赴任してきた日本人であった。和食は多くのベトナム人にとって、日本人が食べる外国の料理という位置付けにとどまり、寿司などの代表的なメニューが知られている程度であった。
その後、経済成長とともに都市部の中間層が広がる中で、ホーチミンやハノイといった大都市では日本食レストランが急増し、ローカル資本の和食チェーンも店舗数を伸ばしていった。ただし、この時点でも和食は日常的に利用するというよりは、家族や友人と過ごす少し特別な機会に選ばれる存在であった。限られたメニューと価格帯の高さが日常化を妨げる主な要因であった。
















